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並行世界の BLAME!


□ パラレルワールドへようこそ

BLAME! の魅力について考えていたら、こんなバージョンでも面白かったんじゃないかというような妄想が盛り上がってまいりました。適当に書き留めておきましょう。

BLAME! の特徴

BLAME! はあまりにも少ない説明が特徴的である。だが考えてみよう。もっと説明を少なくした場合、この漫画はどうなるであろうか。

考えてみれば、背景世界に関する説明を意図的にほとんど出さない SF 作品は結構ある。核となるストーリーの進展具合がさっぱり分からないような作品もある。そのような作品は、独特な雰囲気を持つ(ファンタジー風味であることが多いだろうか)世界の風景を切り取ってきて、読者に見せるという形式をとっていることが多い。人物としての主人公が存在しないこともある。

非日常世界の"日常"を描くことによって、その仮想世界は、とても人間が想像したものは思えなくなってくる。このように、作者の表現の技量によっては、読者に対してその世界が何処かに実在すると言う確信を抱かせることすらできる。そこまで洗練された表現に触れるのは、読書の一つの楽しみであろう。

□ 真の主役は

BLAME! の真の主役は背景であるという主張を結構目にする。考えてみれば、そうかもしれない。霧亥抜きの BLAME! は成立するだろう。しかし超構造体や建設者抜きの BLAME! BLAME! たり得るだろうか? 個人的にはその答えは No だ。それは BLAME! ではない。

BLAME! が独立した短編の集まりであったとしても、面白かったのではないかと最近考えている。共通した設定は永遠に増築される超構造体と制御できない建設者。その他は時代も状況も主人公も変わる。雰囲気としては蟲師のような漫画を考えてもらいたい。あくまで雰囲気である。あの漫画には主人公がいる。

「世界の果て」を探しつづける青年。建設者を改造し王国を築く孤独な男。電信装置を開発し、他コミュニティとの接触が可能となった社会の変容。奇妙な教義による対立の宗教戦争。破棄されたセーフガード製造工場で不正に生産された自律制御のセーフガード体が人間として社会に適応していく様。

超構造体の外側の話があっても良いだろう。他太陽系から訪れた ET もしくは人類の遠い子孫が遭遇する、一太陽系を埋め尽くす機械群。太陽を覆い尽くすソーラーパネルのようなものと、その整備ロボット。太陽系外縁から原材料を運ぶロボット船。 SF は絵だねぇ。

ネットスフィア内の話も興味をそそる。そこに人格だけ取り残された人々がいるとしたら、彼らは何をしているのか。マトリックスの逆に、セーフガードの監視を潜り抜けて基底現実に自分達をダウンロードして世界を救おうと試みている一団も居るかもしれない。

ネットスフィア内では人間・統治局・セーフガードは在りし日のように正常な社会を構成しているとも考えられる。三者の代表が話し合う"最高評議会" 何てあれば、もうそれこそ最高だろう。ネットスフィア内では人間は通常の生活を送っていて、時々入ってくる基底現実のニュースを娯楽として眺めているかもしれない。

サイバーパンク物はあまり読んだことが無いのですが、イメージ的に BLAME! のように汚れた下界があると、その対極に病的に清潔な上界があるはずだと考えてしまう。基底現実と違って真っ白な大理石を使った嘘臭い清潔感溢れるネットスフィアを見てみたかった。

とまあこのような感じで、ネット端末遺伝子を探したり探さなかったり、建築者が話しに絡んだり絡まなかったり、セーフガードが出てきたり出てこなかったりな短編が色々と繰り広げられる BLAME! というのも面白かったのではないだろうかと。 BLAME! サイドストーリーという感じでしょうか。


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