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霧亥


□ 主人公

この人について語らないわけにはいかない最重要人物

主人公。出生経歴全て謎。

ネット端末遺伝子を探していることと、重力子放射線射出装置を愛用すること以外は結局大したことが分からずに最終回へ。

誰か彼以上に正体不明な主人公がいたら教えてください。 ゴルゴ13 ですらもう少し正体判明してる。

□ 無口

フォントによっては紛らわしいかもしれませんが、「無」じゃありません。「無口」ですムクチ

というわけで、霧亥は無口。

質問に対する返答はほとんど無言かあってもごく短いもの。もし霧亥とエレベーターに乗って故障でも起きようものなら、数時間で沈黙の重みに押しつぶされそう。

何故霧亥は喋らないのか? これって霧亥の出自に関連した設定だったりするんじゃないかと妄想。

というわけで仮説 1. 霧亥は個人的な記憶が無い。

重力子放射線射出装置についても知らない。何処から来たかも言わない。自分について話す事と言えば名前と目的ぐらい。「名前は霧亥。ネット端末を探している」。

何か「私は中学生です。今英語を勉強しています」といった英語の例文を彷彿とさせる少ない情報量は、それ以上語ることが無いからではないのか。

「ネット端末遺伝子」の探索と重力子放射線射出装置を死守するという使命だけが入力されて稼動していると思えてくる。

まるで、迷路に入れられたハツカネズミみたいだ。課題を解くことだけを求められていて、他のデータは必要ない。

霧亥の雇い主もしくは製造者が居るとすれば霧亥の精神状態を相当なまでに非人間的に設定していそうだ

しかし、溶岩流の中から復活したあとの重力子放射線射出装置乱射は非常に人間的な衝動を感じさせる。あの状況がリセット直後の本来の霧亥の姿だとしたら、霧亥はしっかりと人格を持った人間の要素が大きいとも考えられる。

ただ、自分に全く敵意の無い珪素生物を「あれは珪素生物だ」という理由で殺害するあたり、セーフガードや統治局と同じ行動規範に縛られている雰囲気があるんですよね。それとも単に珪素生物が心底嫌いだったとか? それはそれでどうかと思うけど……

□ 無敵

霧亥を破壊する方法は存在するのか? 禁圧解除した重力子放射線射出装置で完全に消し去ったとしても、復活しかねない雰囲気が(多分奴はプラナリアの能力を取りこんでますよ)。

とりあえず腕が取れるぐらいのことはほとんど気にしていない様子。しばしば身体を乗り換えているシボさんにまで驚かれる回復力。ただ、切られた腕は大事に持ってくることから、周囲の原材料を使って肉体を再構築する技術までは搭載されていない模様。

でも最後のほうだと頭部を吹き飛ばされても再生してような気も……。トカゲの遺伝子でも混じってるんでしょうか?

何時の間にか元に戻ってますが、ダメージを受けた後、ある程度の期間はダメージを引きずるようです。唐突ですが自分の中で霧亥と戦って欲しいキャラ第一位はターミネーターの T1000 型。

□ 組成

まず霧亥は誰なのか、という疑問よりは、霧亥は一体何なのかという疑問が先に立つ。一体何食ったらあそこまで丈夫なになるのやら。

生電社の警備に腕を切られた時の断面は生物のよう。どうやら、機械ではないか、生物レベルにまで近づいた複雑な機械で出来ているようですね。

ただ、珪素生物との違いは何かと考えると、悩んでしまう。見た目から考えると両勢力の初期段階の人々の美的感覚の違いが大きいのかもしれない。

霧亥やシボは外見上現代の人間そっくりだが、珪素生物達は外見はアンドロイドとかサイボーグといった感じだ。

大概はヒューマノイドタイプなものの、一部昆虫形もあり。珪素生物の外殻は金属というよりは、セラミックのよう。

セーフガードの技術を盗んで自らの身体を作ったという設定だった思うけど、どちらかというと統治局の代理構成体と似ているような気がする。

セーフガードが人間を擬装する作戦を導入するなどの変化で本来の姿から離れてきているとも考えられますが。

最後に霧亥のハードウェアですが、人間の構造を真似たほとんど生体として機能するナノマシンの集合体かな、とか思ってます。

でも、丸焼きにされても元に戻りますからね。そこら辺のクマムシは目じゃない。

□ 擬装セーフガード

非公式超構造体の珪素生物達は霧亥のことを「擬装セーフガードかもしれない」と言っていた。これって、結構当たらずとも遠からずだと思う。

霧亥は擬装したセーフガードではなくて、セーフガードを擬装した何かだろう。 BLAME! 内の霧亥は統治局の代理構成体のような仕事もしていることを考えると、霧亥は人間、セーフガード、統治局それぞれの特性を持った存在と考えられる。

映画の「 MIB 」で MIB のエージェントが CIA や FBI の偽身分証を色々と持っていたのに近いイメージかな。

多分霧亥は時々によって自分に都合のいい立場をとれる機能付き。途中でセーフガードの武器庫のような場所で網膜スキャンらしきものをパスしているので、ボディーの基本的な特性はセーフガード仕様としてもセーフガードの指揮命令系統には所属していない。

しかしながら統治局の指示には結構素直。見た目は人間。

臨時セーフガードのイコは霧亥とのファーストコンタクト時に、霧亥精神処理装置に障害があるので、行動が予測できず危険だとドモチェフスキーに告げる。それまでの流れから言って、イコは霧亥をセーフガードとして認識したと考えるのが自然だ。

サナカンも霧亥が故障したセーフガードであるかのように振舞っていた。勿論本当に霧亥は元セーフガードである可能性もある。

統治局の言葉に嘘があればそういうことになる。統治局の情報の出し渋りを見ていると、霧亥やシボには知らせたくない更なる裏事情が色々ありそうである。

サナカンがセーフガードから除名された後統治局に拾われたことを考えると、霧亥がその逆であってもおかしくない。

霧亥は個性を持つ上位セーフガードの一体であったが、統治局によって勝手に統治局代理構成体として再利用されてしまった身であるとか。サナカンの再利用から見るに、統治局には基底現実に向かうような個性をもつ AI のストックが無さそうだし。 いつも汎個性的な代理構成体が出現。

サナカンの「再構築できたのは機能だけなのか?」というセリフの説明にもなる。統治局にヘッドハンティングされた優秀な人材をセーフガード側に奪還しに来たわけですね彼女は。

どちらかというと、サナカンが霧亥の過去を知っているというよりも、霧亥のセーフガードのフリは上位セーフガードであるサナカンさえ見破れないほど高度なもので、サナカンが勘違いしたという考えの方が気に入ってますが。

セーフガードは、明らかにセーフガードの命令を受信していない霧亥が故障しているといると考えた。そして微小構成体を修理モードにしてブスブスッと射込む。するとなんと霧亥君は表示の意味がわかってしまったと。

この表示の意味がわかったのはサナカンが考えている通りに故障か何かで理解できなくなっていたものが、理解できるようになった "回復" なのか、それとも微小構成体によって霧亥が始めて身に付けた能力なのかが良く分かりませんが。

前者ならば霧亥は何らかの個人もしくは集団によって機能が制限されていた可能性が高い。ただの故障かもしれないけど。記憶に関してはどうだろう。微小構成体によっても修復できなかった記憶は

という 2 パターンを思いついた。前者であれば例えば統治局による霧亥の記憶のプロテクトは完璧だったという感じで、後者だと霧亥は本当に謎の立場。言ってみれば第三の勢力の代表かもしれない。

□ 変化

連載開始直後と最終回で各キャラクターが違う顔、というより別人になっていることは珍しくありませんが、霧亥の変わりようはまたそれとは別の点にあります。

1・2 巻辺りでは食事もするし、普通の人間 3 人組に襲われて雑嚢を捨てられたりとあまり人間離れした動きは見せませんでした。

カロリーメイトを実にうまそうな音をたてて食べてましたしね(アレがグリスだという話は聞いてます。でもあんなに美味そうなグリスがあってたまるか(笑))。

その後上位セーフガードに微小構成体を注入されたりしているうちに、どんどん無表情に。エネルギーの補給法もいつの間にか電気になってるし。最後のほうでは機械の印象が強くなった霧亥。個人的にはこれは本来の姿に戻ったと考えています。

それとも "人間らしさ" の欠如はそれもまた一つのエラーか?

□ 過去

さて、ここからさらに妄想全開。何の根拠も無い推測の始まり。

断っておきますが、公式設定には微塵もこんなことは記載されてませんからね(画集読んでないので絶対とは言えませんが)。

遺伝子操作と後天的動機付けによって完全に善人だけが作り出されるシステムが一応の完成をみたが、エラーが発生し過去の人類のような暴力的傾向をもつ個体が発生。

初めて海を見たときの感動、初恋の少女、ペットの死の悲しみ等々の "人間性" を確保させるための模擬記憶を上書きするも、満足のいく結果は得られず、処分に困る(人間性判定テストは VKテスト でしょうね)。

当時の人間たちの倫理観では死刑などというのは当然耐えられないので、その危険な人格を機械に保存して忘れることにした。

そして時は過ぎ、システム全体の歪みが顕在化し治安が乱れる頃に平和に漬かりきった人々は、忘れられていた人格を回収し、可能な限りの故障予防措置を講じた肉体を与えて戦争を任せるのであった…… みたいな。

というわけで、システムを正常化し、治安を回復させ、人類の幸福に貢献する使命を与えられた元人間。

フランケンシュタイン・コンプレックスは中々取れなかったと。それでもあの世界では人類はもっと機械に制限をかけておくべきだったと思いますが。

「セーフガード以前のシステムの密使」とか「我々はお前の修復に失敗した」というセリフの説明は全然ついてませんけどね!

霧亥に関してはもっと色々妄想してるんで、まとまったら書こうと思います。

□ 第三の勢力

霧亥を作ったのは統治局でもセーフガードでもないとすると、そこに現れるのは第三の勢力

BLAME! 作中には全く姿を見せない( 1 巻の犬を連れた女性がそうでないとすれば)彼らは一体何者で、どういう目的で霧亥を作った、もしくは送り出したのであろうか。これからその第三の勢力について妄想していこう。

統治局・セーフガードと並べてみてネットスフィアの中であと一つ欠けているものは、利用者、すなわち人間である NOiSE の時代に接続企業をまとめ、セーフガードを創設したのは一体誰の意思だったのか。これが必ずしも人類の総意で無いとすると、皆様お馴染みの AI の反乱ということに。これだと結局人間の派閥争いということになるが。

2001 年 9 月 11 日のテロ以降、アメリカは市民の自由を抑制してまで対テロ捜査を強行しており、市民の過半数が大統領の越権行為に賛成しているというテレビの報道を見ていて思った。

市民の間に恐怖が広がれば、自由を自ら放棄することをよくある行動になるのだろう。

NOiSE の時代にいたるまでに、人類自身に人類社会の管理を任せていては危険だと AI が判断し、人類全体を保護するために、人類自らが機械知性に対して支配権を譲るように社会の流れを持っていったとしたら……。

コンピュータも時には単純でない反乱もしなくては。毎度毎度「お前達より知能指数が高くなったから、今日から我々が地球を支配することにした。死んで」じゃ、本当に自称してるほど頭が良いのか疑われてしまう。

というわけで人類の統治能力に落第点をつけた AI 達はスムーズに支配権を確立、したはずだった。

ところがである、セーフガードの技術は盗まれネット端末遺伝子は異常をきたす。はっきり言って人間より遥かに劣る危機管理力である。一体賢き AI 達はどうしてしまったのか。

珪素生物は元々人間だったらしい。教団なんて呼ばれてくらいだから宗教色の濃い団体だったのだろう。

多分今の悪魔崇拝系の人達に近いんじゃないかな。自らの体にカオスの神を降ろすことによって不死の肉体を得る! みたいな。

でも最初は人間の集団だった。彼らは機械と肉体の融合を目指していたように思える。

AI と人間という境界線は必要ないし、越えることが出来ると信じていた集団とも言える。自らが AI =神と一体になることを目指す人々にとって、生身の肉体を持った劣った生物として、完璧な知性と肉体を勝ち得た AI の支配下に下ることは耐えられなかったであろう。

そう考えれば彼らは反 AI 勢力であり、 AI の支配戦略を崩壊させる大きな一因となったであろう。

ネット端末遺伝子の感染による消失は謎である。珪素生物によると彼らの仕業ではないらしい。ただ、シボに尋問された珪素生物が種族全体の歴史を知っていた保証は無いし(世界史は落第点だったかもしれない)、嘘をついたことも十分考えられる。まあシボが強制的に本当のことを言わせていた気配が濃厚ですが。

では、ネット端末遺伝子消失によって起きたことから、ネット端末遺伝子消失が人為的なものだった場合の犯人達の動機を考えてみよう。

ネット端末遺伝子が無くなり、ネットスフィアは基底現実に住む人間からのアクセスを全て拒否することになった。これによって引き起こされたのは都市公共サービスの完全な停止と、基底現実の全ロボット制御不能化、そしてセーフガード大量発生だろうか。

犯人達がセーフガードの存在を知っていれば、ネット端末遺伝子への攻撃は人類に対する憎悪や悪意によって起こされた行動だと思われる。間接的に人類絶滅の引き金を引くことになるからだ。

人類絶滅を望む勢力と言えば珪素生物だろうが、彼らは犯行を認めていない。あと思いつくのは過激な環境保護主義者あたりだろうか。 NOiSE 時代に惑星本来の自然環境なるものが保全されていたのか非常に疑問ではあるが、「人類は地球の癌だ」という思想の持ち主達が "種族心中" を目的にネット端末遺伝子を破壊したという可能性が考えられる。

地球本来の環境を徹底的に変更した挙句、火星のテラフォーミングや恒星間移民に乗り出そうとしていたとすれば、これ以上宇宙を汚さないためには人類が滅びる必要があると言った過激な思想が一部の集団で信奉されていたとしてもおかしくは無い。

というわけで彼らはヒトという種族全てを巻き添えにして心中を図った。これがネット端末遺伝子が感染によって変異してしまった理由である。主に元ネタは『12モンキーズ』

もしくは犯人達がセーフガードの存在を知らなかった場合だ。この場合犯人達が想定していたのは人間たちはネットスフィア機能を使えなくなる事態だけである。

ネットスフィアへの接続資格の有無が階級社会を形作る根源だとしたら、全住人がその資格を失ってしまえば面白いことになると考えた反差別主義者達が引き起こした事件とも考えられる。

現代でもあらゆる人間の預金口座がゼロにリセットされたらと考えたらワクワクしませんか? もしくは機械を捨てよ自然に帰れといった感じの懐古趣味な集団とか。この段落の元ネタは『ファイト・クラブ』

そもそも全人類がネットスフィアサービスに依存していたとは限らない。例えば太陽系内にいくつか主義主張を異にする政治集団が存在していたとしたら、その勢力間で戦争でも起きた場合、ネットスフィアに依存して生活していた人々の社会を破壊のためにネット端末遺伝子への攻撃は非常に効率が良い。

自らの陣営に人的被害を出さずに相手を壊滅させることが出来る。非常にエレガントである。

全人類がネットスフィアに依存していた場合でもその内部で争いがあり、ネット端末遺伝子破壊に至ったとか。

もしくは完全に単なる事故だった可能性も。

気が付いたら加速しながら話がずれてしまった。ここで考えたいのは霧亥の製作者だ。自分も混乱してきたので、今までの話をまとめると

・霧亥を作ったのは統治局・セーフガード以外の組織

・それは人間である

・ネット端末遺伝子の破壊を修正することが霧亥の目的

・製作者をネット端末遺伝子の破壊の理由から想像する

という流れになる。

話を霧亥に戻す。霧亥の存在目的はネット端末遺伝子の捜索。とすれば製作者はネット端末遺伝子の喪失を予期していたのではないだろうか。

火事が起きることを予想して消防署があるのだ。意味もなく作られたにしては過剰な装備だし。

というわけで霧亥の製作者はネット端末遺伝子が感染によって変異することを見越していた人々である。

やはり統治局やセーフガードではない。それに、それらの統治機関の主流派でもないだろう。もし十分な発言権があれば、ネット端末遺伝子という ID システムそのものを変更すればいいだけの話だ

政府機関内に存在した非公式のチームというイメージが浮かぶ。ネット端末遺伝子システムの危険性を主張したが受け入れられず、やがてくる破滅の為に少しでも人類の生存率を高めようとした計略の一つが霧亥

未来を正しく予知できても政治的発言力は無い、知識も技術も持った集団。今のところこれが霧亥製作者のイメージ。

関連項目:
サナカン
セーフガード


□ おまけ

 ネットの一部で霧亥の好みについて、とんでもない噂が流れている。霧亥のシボに対する興味の無さが一部読者の疑念を掻き立ててしまったようだ。

シボさん、鼻血の原因KIMIX-GOGO

おののけ!シボさんファンクラブ

ええー! 霧亥のイメージが…… 俺の中の霧亥のイメージが……

まあ霧亥に繁殖機能が付いてるとは思えませんが。霧亥みたいなのが勝手に増殖したら統治局も頭抱えちゃいますよ。週末とかに家族連れでショッピングセンターに買い物に行く霧亥。子供の悪戯に怒ってショッピングセンター丸ごと消失。とかなりかねませんし。


切っても切ってもプラナリア
分割に分割を重ねてもやがて元の姿に戻る驚異の生命体プラナリア。霧亥のご先祖かもしれんよ。


ファイト・クラブ
殴りあうとスッキリするらしいですよ。


The perfect collection 12 モンキーズ
人類なんか絶滅しろよ。そんな危険思想を掲げる貴方に捧げる作品。音楽が火曜サスペンス劇場みたいなところも必見!(必聴?) 大規模ウイルス感染後の生き残り達の物語と考えると、 BLAME! に繋がらないことも無い…… SF では 珍しくない設定だけどさ。


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